長瀬小学校

1.   研究テーマ

「豊かな感性を持ち、自ら学び考える子をめざして」

〜1人ひとりが、考え高めあう子を育てるために〜

2.      研究内容

はじめに

小規模校である本校は、転出入もなく、また、ほとんど変わらないメンバーの中では、新しい意見を出し合い練り合う場面や、1つのことについて様々な角度から議論することが少なく、自分たちが教わってきたことをそのまま受け継いで行なっているだけになりがちである。

そこで、本年度は、これまで自分達が教わってきた班活動を受け継ぎながら、さらに、給食当番と清掃活動、社会見学の計画と調べ学習の活動などを重点に、自主的な活動ができる場を設けてきた。

 

給食当番

全校の児童が3つの縦割り班に分かれ、担当の教師が2名つき、交代で行っている。1年生も4月下旬頃から給食当番として活動をはじめ、1学期の半ば頃には、低学年として出来る仕事は、立派にこなせるようになっている。これは、上級生といっしょに仕事をし、その姿を見ていることが大きい。

しかし、その仕事は今まで受け継がれてきたものや、言われるままにやっていることも多かった。また、出来るだけ早く食べ始めることができるようにと教師の方が配膳をすることが多かったことも一因である。

そこで、本年度はできる限り教師の手助けを減らし、児童の自主性を高めるようにしていくことが大切だと考え取り組んできた。

教師の意識をかえていったことで、子どもたちは何も言われなくても自分で出来る仕事をさがして配膳できるようになってきた。また、低学年と高学年の支え合いもさらに見られるようになってきた。

 

清掃活動

これまで縦割り班のグループでの清掃活動を実施しているが、子ども達は決められた掃除の場所をこれまで受け継いできた方法でこなすだけであり、そこには自分達の発想や工夫でやってみるということがほとんどなかった。

そこで、清掃活動を通じて自主性を伸ばすことができるのではないかと考え、班での話し合いの場を設け、ふだん掃除しない場所やもっときれいにしたい場所を自分達で考えさせ、そこを掃除する際のめあてやきれいにする方法なども決めさせて、月2回実施してきた。

その結果、高学年がリードしながら、きれいにするために学年に応じた分担を決めたり、その掃除場所にあった道具を考えたりする意欲的な姿が見られるようになってきた。

 

「社会見学」の取り組み

本校では全学年で社会見学に行く。今年度は「1〜6年生みんなが楽しめるところ」を大切にしながら5,6年生の児童に行き先を考えさせた。

所在地をはじめ交通手段・電車、バスの運行時刻など様々なことをインターネットやガイドブックを使って調べた。中にはその会社や津の営業所へ電話をして調べた児童もいた。電話で物事を尋ねたりすることのない子ども達である。電話をかける前には聞きたいことをまとめたり、実際にしゃべる練習をしたりして緊張した面持ちで電話をかけていた。それも子ども達にとってはいい経験になった。

それを元に全校児童・教師に対してプレゼンテーションを行い、全児童・教師が共に多数決で決定した。

今回の取り組みは初めてのことであったが、子ども達は「みんなのことを自分たちで決める」という活動にとてもいきいきと取り組んだ。今までにも「自分の調べたこと」等を発表することはあっても、今回のようにそれによりみんなの賛同を得るという活動は初めてであり、大変いい学習になった。

その後の活動においても、5,6年生を中心に自主的に資料を集め、見学内容や見学の順番を決めたり、それぞれの班の目標などを話し合ったりする姿が見られた。それらの活動は社会見学後の様々な学校生活においても生かされているように感じる。

 

職員研修

職員の情報機器活用能力を高めるため、外部講師を招き、ワード、エクセル、ホームページビルダーなどのソフトの操作方法の実技研修を実施した。また、授業での活用方法について、5・6年生理科や、1・2年生生活科などの実践事例を元に研修を深めた。

 

成果と課題

これらの活動や取り組み通して、子ども達は様々なことを学び成長してきた。子ども達は、自主的な話し合い活動が出来るようになり、少しずつではあるが工夫しようとする姿も見受けられるようになってきた。

高学年一人ひとりにもリーダーとしての自覚も出来、指導性や自主性が、低学年にも責任感や自主性が出来つつある。

今後の縦割り活動では、これまでの活動の上に更に、子ども達の発見や工夫によるところの新しい活動をどんどん取り入れていけるようにしたいと考えている。同時に、指導者の支援のあり方も考えていかなければならない。