観阿弥、人気の秘密
 当時の近畿地方には、たくさんの猿楽座があ
って、たがいにわざを競い合っていました。そ
の中で観阿弥の率いる結崎座(観世座)は、他
を引き離して人気になりました。      
 その秘密は・・・・           
1.田楽や猿楽は、もともと民間のいやしい芸
 能であった。だが、これを優雅なものに高め
 上流の武士の間にも喜ばれるものにした。
2.田楽・猿楽と並んで、曲舞という歌舞があ
 って、テンポの早い軽快なリズムとメロディ
 ーで人気を集めていた。それを観阿弥は、採
 用して猿楽をさらにおもしろくした。
3.猿楽は物まねが特徴の一つである。観阿弥
 は物まねがうまく老人・美女・鬼など、どん
 な姿になっても上手だった。
4.自分で多くの台本を作り、自分のレパート
 リー(曲目)をたくさん持っていて、他の座
 を圧倒していった。

 観阿弥は多くの人々から支持され、芸域の広
い能役者でした。天下にその名をとどろかせた
のも、彼の演技力と基本となった物まねから幽
玄の美を求めた作品の創作力、さらに能の音曲
的な改革を加えたことに起因します。





















































幽玄とかかれた石
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